地元中小企業の自己変革が外から人を呼び込む
2019年の地価公示によると、青葉区を中心とした仙台市が前年以上の伸びを示し、宮城県全体をけん引している。その一方で、仙台市から東京圏への流出は歯止めがかからず、東京一極集中を加速させている。18年の1年間に県全体で約9000人が減少する中、地元中小企業の自己変革が求められる。
◆青葉区
都心再構築で投資を呼び込む
仙台市の中でも、中枢地区として成長を続けている青葉区。中心部のみならず、周縁部においても開発が進み、勢いが増している。課題となっている老朽化建物も建て替えが少しずつ進んでいるほか、仙台市が「せんだい都心再構築プロジェクト」を始動。注目が集まっている。
◆宮城野区 東口、仙台港が職住遊けん引
仙台市の北東部に位置し、都市機能の一部を担う仙台駅東口、物流と産業の拠点である仙台港背後地、住宅地域、田園地域と、さまざまな表情を併せ持つ宮城野区(19年7月1日推計人口19万6422人)。津波被災した沿岸部も、より強靭に復興を遂げ、交流人口拡大の要となっている。
◆若林区
地下鉄開業効果は一段落
仙台市5区の中で最も小さい若林区は、富谷市とほぼ同じ面積の約50平方km。人口は約13万6000人と市内最少。仙台市地下鉄東西線の開業で区画整理事業や周辺開発が急速に進み、地下鉄沿線の一部に地価の著しい上昇も見られる。仙台市内の他区と比べ賃貸住宅の割合が多い。
◆太白区 住宅供給盛んな人口増エリア
青葉区に次ぐ広さを持つ太白区。将来推計人口は減少を示しているが、あすと長町、富沢西エリアの区画整理事業などで住宅供給が盛んなことから目下人口増を示している。そうしたエリアへの商業施設の進出などが相次ぎ、仙台南部の拠点としての性格付けを強固なものにしている。
◆泉区
泉中央の賑わい創出がカギ
泉区は仙台市の北部に位置し、仙台市地下鉄南北線の起終駅である「泉中央駅」の他、「八乙女」「黒松」の計3駅ある。自然環境に恵まれ歴史・文化が残る一方、「泉市」時代から旧仙台市のベッドタウンとして住宅開発が進み、商業集積も堅調。市北部の広域拠点として重要な位置にあり、今後もその発展が期待される。
民間活力
泉区役所の再整備始まる
泉区役所(仙台市泉区)の建て替え計画が動き始めた。仙台市地下鉄南北線の「泉中央駅」に近接する泉区役所は、旧泉市時代の市役所から活用され現在に至っており、築42年になる。周辺は商業施設や病院、文化施設などが集積する仙台市北部の拠点。区役所の再整備によって更なるにぎわいを創出したい考え。
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